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d0000995_20504550.jpgウォータールー駅に着き、単純に改札を出れると思っていたら、イミグレーションがありました。フランスではなかったのに何故と思いました。ここで「何しに来た?どのくらいいるのか」と言うような質問をぶっきらぼうに疑い深い態度で質問され、気分が悪かった。

パリ3日間と言う短い滞在には、一つには J の強い要望で金曜日には帰って来いと言う半分命令のような言葉があったからです。 その当時仕事でスウェーデンに行っている J の親しい友人が帰ってくるので、ぜひ会わせたいから金曜の夜には戻ってきて欲しいと言われていたのです。夕食の用意をして待っていると言うことでした。

フラットにつくと J の友人の S はまだ来ていませんでした。電話で後30分ぐらいしてこちらのやってくると言うことでした。わたしは急いで着替えをして、S の来るのを待っていました。

S は思っていたより話しやすい人でした。 J の作った夕食を三人で食べながら和気あいあいと会話を続けていました。やがて J が私がリトグラフ作品を持ってきていたので、S に見てもらったらどうかといいました。 S に私が才能のある版画家だと嬉しくなるようなことを言ってくれます。その言葉につられ、ロンドンのギャラリー回りをして見せる予定だった数枚のリトグラフをS に見せました。自分で言うのもなんですが S は私の作品をかなり気に入ってくれたようです。 J は1枚ぐらい買ってやっても良いのではないかと笑って言いました。 J は今はスウェーデンで仮住まいだから、飾るところがないからとやんわり断りました。 しかし、私の作品を確かに気に入ったと見えて、「これはかなりの作品だから、どこかのギャラリー必ず興味を示すと思うな。どうだろう J 、 もしこの作品を預けていってくれたら我々がギャラリーを回ってあげたら良いんじゃないか」 J のほうを向いて S が言いました。
私はその提案に喜び「本当ですか、そうしてくれます?」と言おうとしました。その時、


「いやだよ!」


びっくりするような強烈な拒否の言葉に、それを言い出した S も驚いて固まってしまいました。
「こんな男の作品なんて見せられるようなもんじゃない。全然なってないよ。とんでもないよ。ギャラリー周りなんてやってやれないね。」
さっきまではあんなに持ち上げていたのに、突然この言葉。これが J の本心だったのか。私はわなわなと怒りが込み上げ、引きつりそうになる顔を抑えるのが精一杯でした。
S もじぶんの言葉がこんな事態になるとは思わずたじろぎながら「どうしてだい。いい友達なんだろう」となだめるようにいいました。
ところが J はいまいったことも忘れたかのように「それよりさ、これうまいだろう」と平然として食べ物の事に話題を変えていきました。
私はこのとき初めて J の誘いに乗ってロンドンに来たことを後悔しました。私もその場をつくろって平常心で話しを続けましたが、これで J との関係はこの旅で終わりにしようと決心しました。
by marrrsan | 2007-02-03 21:07 | ・懐古的旅行記 | Trackback | Comments(8)