人気ブログランキング |

2006年 05月 30日 ( 1 )

盗用と流用

今、日本の美術界では今年芸術選奨で文科大臣賞を受賞した画家の盗作騒ぎが持ち上がっている。彼ほど名の知れた(私は知らなかったけれど)画家があのような作品を堂々と自分の作品として展示したとは全く驚きでした。

私が大学院の時教授は言いました。盗作はいけないが、流用は良い。
実際美術の世界では流用と言うことは行われてきていて、過去のものを踏み台にして新しいものを作り出すことは問題はないことである。
例えばマネの「草上の昼食」のあの構図はティツィアーノ(Titian)の「田園の奏楽」からの流用であると言われています。また彼のもうひとつの代表作「オランピア」もティツィアーノのVenus of Urbinoの構図を流用しています。
d0000995_22145871.jpgd0000995_22153646.jpg











d0000995_22171142.jpgd0000995_22203096.jpg







このように構図の流用と言うことは行われていました。また現代作家ではイギリスの画家フランシス・ベーコンがMuybridgeの写真や他の画家の作品を元に制作していることは良く知られています。彼の場合元の作品が何であるかがはっきりしていて、流用を隠す事はしていません。

またピカソとブラックがキュービズムのスタイルをお互いに競い合っていた時はどちらがどちらの作品かわからないようなものが多々あります。これはお互いに切磋琢磨して新しいスタイルを確立しようとしたコラボレーションと言えるかもしれません。

今回の盗作事件では原画とほとんど同じ構図、色使い、筆遣いで素人が見ても全く同じ作品とわかりこれは流用の範囲を完全に超えていることは明らかです。
また1作品ならまだしも10数点が盗作されたと言うことは全く驚いてしまいました。コラボレーションだとか言う言い訳もしていますが、それならば展覧会の時にコラボレーションした画家の名前も述べ、競作だと言うべきでしょう。しかし相手はコラボレーションしたことはないと言っているので、苦しい言い訳ですね。

実力がある作家でありながらなぜこんなことをしたのでしょうか?自作への行き詰まりがあったのでしょうか?
言い訳を言って言い逃れるより、きちんと認めるべきでしょうね。
by Marrrsan | 2006-05-30 22:44 | ・エトセトラ | Trackback | Comments(5)