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2005年 06月 27日 ( 1 )

反画 On Baldin Drive

d0000995_1137184.jpgOn Baldin Drive 石版画 約18cm x 25、5cm 2005 エディッション 10

この作品は依頼されて作ったリトグラフですが、大失敗作品となってしまいました。

ご存知のように版画というものは版から紙にイメージを写し取るもので、版に描かれるイメージは現実とは左右が反対のミラーイメージでなくてはなりません。
リトグラフを集中的に制作していた頃は、この現実と反対に描くという事に私はかなり慣れていてむしろ見たとおりに描くよりは、ミラーイメージで描くほうが得意でした。頭の中で自然にイメージの転換がそれほど問題無く出来ていました。テクノロジーの発達の恩恵を受けられるようになり、写真のイメージをPCを使い簡単に反転しプリントすることが出来るようになると、容易な方法を使うようになり、最近では最初から反転の画像を使って描くことが多くなりました。

この依頼作品を制作するにあたり、普通のプリントと反転のプリントを作ったのですが、忙しさの中で混乱し、何故か正しい写真を反転の写真と勘違いしそのまま制作を続けてしまいました。

ハウスポートレートとして依頼された作品の為、反転した画像では納得の行かない作品になってしまいます。ただ依頼者以外の人にとっては単に家を題材にした作品として何の問題もなく受け入れられる作品でしょう。(希望者には販売、、、と商売っけを出す)

普通の画家ににとっても反転の絵を描くのは面倒なようで、トーマス ハート ベントンは油絵で描いた作品をリトグラフでも制作していますが、リトグラフの制作をするときに原画の反転を行なって描いていないので、リトグラフ作品はすべて油絵のミラーイメージとなっています。

この反転の問題を解決する方法として、オフセット印刷という物があります。オフセットの印刷機を使うことで、画家は反転して描く必要が無くなります。この場合、リトグラフの石は使えません。アルミ版によるリトグラフとなります。
オフセットの原理はまず、アルミ版にインクを盛り、そのイメージをゴムローラーに転写して、そのゴムローラーから紙に更に転写するという物で 正(版) →逆(ゴムローラー) →正(紙)という順序で印刷されるので反対に描く必要が無くなるのです。

とにかく依頼された作品は反転画を石に描かなかったのでまさに出来上がった作品は版画というより反画となってしまいました。
大忙しでやり直しの作品が下です。
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by Marrrsan | 2005-06-27 12:59 | ・Gallery | Trackback | Comments(4)