読書三昧
2008年 11月 09日
久しぶりの読書にほとんど丸2日費やしてしまっている。昔は本当によく読んだものだが
最近は目が疲れるためと、集中力がなくあまり読んでいなかった。
たまたま姉から読んでみないと1,2ヶ月前に3,4冊の文庫本を渡され、しぶしぶ読み始めた。
最初の2冊は推理ものだったので、案外すらっと簡単に読めた。
しかし、3冊目の本は普通の文学書でちょっと読むのに気が重かった。裏表紙に内容が簡単に紹介してあるのを読むと22歳の女主人公の前に15歳の男の子が現われ、10年後の12月5日にあなたに結婚を申し込みますと言うような手紙を渡して人ごみに消えていく。果たして約束は守られるのか、みたいな紹介文がありちょっと興味を持ち読み始めてみた。
それは宮本輝の「約束の冬」という小説で、宮本輝の作品は初めてでした。読み始めると主人公が女性でしかも小説の始めに確かに少年が求婚の手紙を渡すと言う話はあるのですが、主人公のそれからの10年間の話が綴られていき、あまり興味がもてなくなり、第1章の途中でしばらくそのままにしていました。
そして今週再び読み始めたところ、話の展開が変わって俄然私は興味を持ちました。この本は上下700ページ近くある長編ですが、4,5日で7,80ページのペースだったのにあとの600ページは2日で読破してしまいました。一つにはこの本は2人の主人公がいてもう一人は先の10年後の32歳の女性、もう一人は54歳の男性で私と同じ年と言う事で感情の移入がしやすかったと言う事もあったようです。
もう一つ今日一日で読破した作品が遠藤周作の「スキャンダル」という作品。この小説は謳い文句に「自ら築き上げた文学領域を打ち破る画期的書下ろし」と宣伝してあり、興味深く読みました。この作品は遠藤がノーベル賞候補に上がった時ポルノ小説と評価され、受賞を逃した一因と言われている作品です。私はどんな内容かはっきり知らずに読んだのですが、性がテーマにはなってはいますが、今までの遠藤周作から一線を引く、画期的というほどの作品ではないと思いました。これにちかいような作品「月光のドミナ」を50年近く前に書いています。もう一つこの作品で気付いたのは「わたしが・棄てた・女」の主人公と同じ名前の「森田ミツ」という名前の女の子が出て来る事でした。
調子に乗って今日は更に遠藤周作の「深い河」を読み始めました。
お互いに達者で生きてていきましょう。
なんだか、何もしなくても屈託が増えるこのごろ、読書をすると、
違う体験ができて楽しいですね。
いろいろな人生を生きられないので、小説は便利です。