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北杜夫 「幽霊」

今日5月1日は北杜夫の誕生日ですね。彼も今年ではや79歳とは言うものの、兄の斎藤茂太氏は90歳でまだご存命なので長命の家系でしょうか?

d0000995_16592312.jpgさてこの処女長編小説「幽霊」は北杜夫が23歳の時に書き始めた作品と言うことです。「幽霊」という題名ですがホラー小説ではありません。「或る幼年と青春の物語」と副題があるように主人公「僕」の幼年期と旧制高校生時代の事をみずみずしい文体で書いた追想記です。著者が初期の集大成と呼んでいるように、「幽霊」以前あるいは同時期に書かれた短編などが一部この「幽霊」に使われています。初期の短編集「牧神の午後」の中の「狂詩」の一部が使われていたり、後半の旧制高校生時代の部分は「少年」の書き直しのようです。
有名な「どくとるマンボウ」シリーズとは全く異なる純文学の作品の中でその初々しい作風から私は北作品の中で一番好きな作品です。

「人はなぜ追憶を語るのだろうか。
どの民族にも神話があるように、どの個人にも心の神話があるものだ。」

と言う名句で始まるこの作品、さすが斎藤茂吉の息子だと言うくらい洗練された文章で始まります。

この作品は4部作として書く予定だったようです。しかし「幽霊」の初版から21年経った1975年に続編として発行された「木精(こだま)ー或る青年期と追想の物語」以降続編は書かれていないようです。作者としてはこの「木精」で完結させているようにも思えます。

d0000995_16594565.jpg確認のために「木精」の本を開けてみたらこんな本の発売当時の新聞広告の切抜きが挟んでありました。待望の本だったので広告までこうして記念に取っておいたのですね。すっかり忘れていました。加賀乙彦氏の批評も切り抜いてありました。
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Commented by genova1991 at 2006-05-01 19:00
斎藤茂太さんは高齢でも大変お元気なようですが、北杜夫さんは腰が痛くてヨレヨレだそうですよ~。腰痛は座職の宿命なのでしょうね。何とかやり過ごしてエッセイでもいいから著作を出してくださるとうれしいなと思います。
Commented by Marrrsan at 2006-05-01 23:15
●けーこさん
そうですか、茂太さんは90にしてまだ元気。
確か母上も80歳くらいで南極旅行をしたくらい元気だったそうですから
茂太さんは母似で(確か面長の顔も似ていたよう)宗吉(杜夫)さんは
茂吉似だったのでしょうか?
「どくとるマンボウ老人記」でも頑張って出して欲しいですね。
Commented by rococo at 2006-05-02 01:02 x
高校一年生の頃、北杜夫が大好きでした。それから何年も経って【楡家の人々】がドラマ化されましたが、どんな配役だったでしょうか?面白かったのに記憶がぼんやりです。岸田今日子が出ていたようですが、記憶力抜群のmarrrsanは憶えていらっしゃいますか?
・・・それで、北杜夫ファンだったのに筆がおそいのか新作がちっとも出ないので、合間に北さんと交友関係の深い、なだいなだ、遠藤周作、吉行淳之介、曽野綾子、三浦朱門、佐藤愛子の作品を読んで気を紛らわせていましたが、結果的には、吉行淳之介の作品が一番好きになってしまって・・・懺悔(^_^;)
腰痛でよれよれですか・・・ウツのほうは良いのでしょうか。
Commented by genova1991 at 2006-05-02 04:17
横レスrococoさま:
もっちろん!記憶力抜群のMarrrsanは覚えていますよ~@配役

私も教えてもらってびっくり仰天平伏致したのであります。記録にとってあるのですが、ご本人から発表していただきましょうねぇ~♪

>・・・それで、 以降は私も同様です。私は年を取ってからは佐藤愛子さんの元気の出るエッセイが好きになりました。

>腰痛でよれよれで、ウツの方はどうなのでしょうか?躁でないことだけは確かなようです。最近作は「阪神タイガース」でしたよね~。阪神もしょっちゅう優勝する事態になると著作は望めなくなるのかも、、、
Commented by Marrrsan at 2006-05-02 09:41
●返信その1 (長くなったので2つに分けました)
rococoさん、 けーこさん
 
「楡家の人びと」は実は2回テレビ化されています。
最初が1965年でこれはTBSで製作されました。これは私は見ていません。2回目にテレビ化されたとき、以前テレビ化されたことがあったという話だけを聞いて知っていただけでした。
このときの配役は基一郎を東野英次郎、長女の龍子を岸田今日子が演じていたようです。と言うことはrococoさんはこちらの「楡家の人びと」をみたと言うことでしょうね。面白いエピソードとしてはこのTBS版では萩本欽一がはじめてテレビ出演したそうです。しかもその役がなんとヒトラー!ただ残念なことにこのシーンはカットされ、放送されず実際にはキンちゃんのTV初出演は実現しなかったとの事。

Commented by Marrrsan at 2006-05-02 09:42
●返信その2 上のコメントの続き
私やけーこさんが覚えている「楡家の人びと」は1972年にNHKで放送されたもので、こちらの配役は主な人はほとんど覚えていました。
一応書き出してみます。
基一郎=宇野重吉  ひさ=長岡輝子 龍子=岡田茉莉子 徹吉=内藤武敏  欧州=伊丹十三 聖子=佐藤友美  桃子=結城美栄子 米国=柳生博  峻一=浜畑賢吉   藍子=梓英子 熊五郎=草野大吾

私は北杜夫を通して遠藤周作ファンになりましたね。またトーマス・マンも読むようになりました。

佐藤愛子に関しては、ポーラテレビ小説で彼女の自伝的な作品が「愛子」として放送されましたね。北杜夫なども参加していた「文芸首都」時代の事もそのドラマでは描かれていて興味深かったです。北杜夫をモデルにした人も出ていたと思います。
Commented by rococo at 2006-05-03 00:32 x
わぁ、こちらもすごい配役。わたしは両方見たかもしれません(^.^)
新旧どちらかに三谷昇(名前が正確かどうか・・・今も個性的な脇役で活躍中)出演していましたか?すごく印象的でしたが・・・。
愛子さんもドラマ化されてましたか。
それとは違う、有馬稲子が愛子役のNHKドラマなら見たことがあります。
すでに中年作家の設定で、ちょっとドタバタ(^.^)
Commented by Marrrsan at 2006-05-03 09:26
●rococoさん
rococoさんも記憶がいいではないですか、三谷昇を覚えているとは。
彼はNHK版のほうに「ビリケン」という病院の患者役で出ていました。このキャラクターのモデルになった人に北杜夫は愛着があったようですね。
また、TBS版で下田のばあやをやったのが京塚昌子と言うことがわかりました。「肝っ玉母さん」以前ですから、彼女は30代だったのでは?老け役をやっていたんですね。NHK版は顔は覚えていますが下田のばあや役の女優さんの名前は覚えていません。rococoさんが好きだった太田博之が子役時代に出た番組で(タイトルとか記憶に無い)やはりばあやのような役をやっていたと思います。

有馬稲子のドラマも見た記憶がありますね。
Commented by lanova at 2006-05-03 10:14
私はどちらも記憶にないですねえ。初回分は幼すぎて、興味がなかったか、見るような時間帯ではなかったか…2回目のはちょうど部活に燃える青春を賭けていたころなので、テレビの時間はほとんどありませんでした。最近は北杜夫を読んだ記憶がまったくないです。
Commented by Marrrsan at 2006-05-04 00:30
●novaさん
テレビはいいですから、小説の方機会がありましたらぜひ読んでみて下さい。
by Marrrsan | 2006-05-01 18:52 | ・懐古的本棚 | Trackback | Comments(10)