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「宇宙少年ソラン」 その光と影

「宇宙少年ソラン」 その光と影_d0000995_12351928.gif「宇宙少年ソラン」は1965年に放送されたアニメ。この頃はアニメの提供会社はお菓子会社が多かったですね。アトムは明治、鉄人はグリコそしてソランは森永。アニメとともにスポンサーまでしっかり覚えてしまいました。

ストーリー的には良くあるパターンのほかの宇宙から来た少年が、地中の平和のために戦うというそれほどものめずらしいものでは有りませんでした。でも秘密のペンダントとかチャッピーという宇宙リスのキャラクターとかいて子供ごころを魅了するような作品でそれなりに人気の有ったアニメだったようです。
連載漫画を描いていた宮腰義勝は昔手塚治虫のアシスタントをやっていたということで、丸っこいキャラクターなど手塚治虫的な感じの画風ですね。

さてタイトルに「宇宙少年ソラン」その光と影とかいたのですが、実はこの作品の成立に関して知っている人は知っている有名なちょっとドロドロした事件があるのです。
ソランファンで夢が壊されると思う人は以下を読まないように。興味津々の人はクリックして読んでください。



虫プロダクションでは新しいアニメの企画をしていました。そのアニメでは3匹の動物に姿を変えた宇宙人が登場するのです。最初は「ナンバー7」と題されたその企画は「W(ワンダー)3」となりました。さてこの企画が進行中に虫プロでは「ソラン」の事を知ります。そしてその中に出てくる宇宙リス「チャッピー」の存在を知り驚愕したのです。なぜなら「チャッピー」はワンダー3のキャラクターの一人にそっくりだったから。
俗に「虫プロスパイ事件」と呼ばれているこの事件で、誰が情報を漏らしたかということでかなり虫プロ内でもめ、従業員はお互いに疑心暗鬼になったということです。

「宇宙少年ソラン」 その光と影_d0000995_1445719.jpgさて「W(ワンダー)3」はテレビとほとんど同時進行的な形で「少年マガジン」に連載が始まりました。数回連載された頃、手塚治虫は「宇宙少年ソラン」も漫画として「マガジン」で連載されるということを知り、編集部に抗議し、「ソラン」の漫画連載を中止することを要求したのでした。
いろいろな状況で「マガジン」では手塚のその要求は受け入れることは出来ませんでした。
不服な手塚は「マガジン」での「ワンダー3」の連載を突如中断しました。そしてまもなくしてちょっと主人公の髪形など変え「W(ワンダー)3」は「少年サンデー」で連載が開始されました。
当時「マガジン」と「サンデー」を本屋で立ち読み常習犯だった私は、突然「ワンダー3」がマガジンからサンデーに移ったことを奇妙に思っていました。大人の世界ではこんなことが起こっていたと後で知りました。
なおリスだったキャラクターはウサギに変えられました。

この事件以来「マガジン」と手塚との関係は悪化しました。
しかしこの事件が元で劇画ブームが広がったとある評論家は言っています。つまりこれ以降
マガジンでは手塚のような丸っこい感じの絵の漫画でなく劇画と呼ばれ始めたどちらかというと角張った顔の主人公の漫画を主に支援するようになり、「巨人の星」「あしたのジョー」といったドラマチックな作品が主流になっていったということです。
ということは「宇宙少年ソラン」はスパイ事件という影をアニメ界に落としたけれど劇画の発展に貢献したということですね。
Commented by rococo at 2005-08-29 22:42 x
ほ~・・・・・・んんん~と・・・溜息(^_^;)
サンデー・マガジン乗換え事件があったのですね。いつの頃からか、マガジンの方が俄然面白くなりましたが、そんなところに因縁があったのですね。勉強になりました(^.^)
・・・ところでmarrrsan、午後にちらっと、こちらに伺ったらもう1つブログ記事が更新されていたような・・・???
よく憶えていないのですが、たしかmarrrsanが詩人だった頃の思い出だったか・・・最近気のせいか記憶力にめざましい後退が・・・(^_^;)
アンコールお願いします。
Commented by Marrrsan at 2005-08-30 01:32
●rococoさん
アンコールにこたえて戻しました。若き日の詩。
ちょっと恥ずかしいのですが・・・。
またいつ非公開にするかわかりません。
Commented by lanova at 2005-08-30 13:59
このスパイ事件、ずっと以前に何かで読んだような気がします。でもおぼろげな記憶しかありません。アトムというと明治マーブルチョコレート、鉄人28号というとグリコキャラメル、ソランというと森永…の何でしたっけ?
by Marrrsan | 2005-08-29 14:09 | ・懐古的TV | Trackback | Comments(3)