ぎゃ~~~っ、96億円
2012年 05月 03日
ぎゃ~~っと「叫び」たくもなります。
ムンクの代表作である「叫び」の一つがオークションで日本円にして約96億円で落札されたと言う事です。あるところにはあるんですね。
私の作品はもっと安いのに買い手があまり居ません。(泣)
でもこの96億円は作者とは無関係ですね。極貧で死んでいっても、死後有名になれば作品には驚くほどの値段がついたりしますが、その製作者は金銭的には何の恩恵も得られません。なんか不条理。ただカリフォルニアにはその作家が生きている場合、オークションで高値がついたら何%かは、その作者に分け与えるというような法律があると聞いた事はあります。
さて、この「叫び」ですが、この絵を誤解している人も居ると思うので、一言(実は私も美術史をとるまで誤解していた)説明します。
この絵をみて、題名から絵の中の人物が何かにおびえて叫び声をあげている場面を描いた物だと思う人がいると思うのですが、それはとんでもない間違いで、画中の人物が叫んでいる絵ではないのです。正しい解釈は、絵の人物が「自然を貫く果てしない叫び」に怖れおののいて耳を塞いでいる場面を描いたものなのです。
余談ですが、英語のタイトルは普通 The Scream と呼ばれますが、もうひとつ違う言葉が使われることがあります。私の使った美術史の教科書がそれで、この作品のタイトルは The Cry でした。