抜かなかったから、抜けていた・・・
2011年 05月 22日
個展の終了の時刻となり、作品を片付ける時間になりました。
さて、片付けと言っても絵画は陶器などの展覧から比べると簡単です。ささっと壁の絵をはずし、箱に入れたりバブルラップで包んだりして30分もあれば終わってしまいます。ちいさな画廊なので展示作品も少なく、作品も全部で18点ほどです。個展前に画廊へは1つの箱を郵送したのですが、売れた作品もあり作品数も減りすべて持って帰れると思いました。それであまり大きくない段ボール箱と 手提げに分けて自分で持って帰ることにしました。梱包した荷物を持ち上げてみると、さほどの重さもありませんでした。これなら大丈夫と画廊から上野まで歩いていこうと思ったのですが、さすがに荷物を持っては大変だと思い、地下鉄の大江戸線を使う事にしました。地下鉄の改札口まで画廊のオーナーが荷物のひとつも持ってくれるというので 助かりました。
地下鉄の駅からちょっと歩きJRの御徒町駅に着きました。さすがに御徒町駅周辺は土曜日とあって人が沢山うごめいていました。改札を通り抜けるには両手で荷物を持ってチケットを
改札の機械に入れるのは無理なので、荷物のひとつを改札の中ほどに置き
切符を入れ、床に置いた荷物を片方の足で改札の向こうに押して通り抜けなければなりません。地下鉄の改札でもこれをやったのですが、御徒町駅ではちょっとした足の使い方で、荷物を押したところ筋肉がねじれたと言うか激しい痛みを感じました。後がつかえるので、痛みを堪えながらとにかく改札を通り抜けびっこを引きながらエレベーターまで行きました。とても階段を上れる状態では無かったのです。さいわい足の痛みは次第に薄れていきました。しかしかすかな痛みは消えませんでした。
上野からは6時半に快速が出ているのですが、それに乗りたいと思っていました。なんとか間に合いそうでしたが荷物を両手に痛い足をひきづって高崎線のホームまで行くものこのときばかりは大変でした。もう汗だくになりながらやっと間に合いました。土曜日と言う事であまり混んでなくて荷物を持った私には幸いでした。座ろうと思えば席は取れたのですが、大きな荷物を持って座ったのでは邪魔になるので、ドアの近くでずっと立っていました。
とにかく鈍行でなく快速に乗れたので少し安心しました。
少しづつくれていく夕暮れの街を電車の中からぼんやり見つめていました。
もしかしたら誰かメールでもくれただろうかと胸ポケットに入った携帯をチェックしましたが、何もありませんでした。携帯を胸ポケットに戻した時
ふとあることに気づきました。胸ポケットの中を見ると携帯だけです。
不安になりズボンの左右のポケットを探りました。
ない!
がああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~ん!
困難の末無事予定通りの電車に乗れて安心していて、本当に終わりよければすべてよりだと思っていたのに、こんな伏兵が待っていようとは!
チケットが無かったのです。もう一度確認のためにゆっくりと落ち着いて、胸ポケット、左右のズボンのポケットを探したのですがやはり無い物は無い。安心していた気分から一転地獄に落とされるような気分でした。
個展も終わり荷物もなんとか電車まで運んでこられてすっかり今日の楽しかった思いにしたっていたのに、台無しでした。
思い起こすと御徒町駅の改札のところで荷物を足で前に押した時の筋肉の痛みに、チケットを改札の機械から抜き取るのを忘れていたようでした。
チケットは抜くのを忘れたけど頭は抜けてましたね。