ピアノマンとアナスターシャ(完全版)

  今世間を騒がしている「ピアノ・マン」。
「彼がずぶぬれの姿でイギリスの海岸で発見され、記憶を喪失していて身元が分からない」というヘッドラインを聞いたとき、私の頭に浮かんだのは「アナスターシャ」の話です。日本ではあまり知られていない話なのでしょうか。わたしも「アナスターシャ」の話を知ったのはエーミイ・アービングが主演したTV映画がきっかけでした。実はもっと以前にイングリッド・バーグマン、ユル・ブリンナーで映画化されていました。日本題では「追憶」というそうです。しかしこの映画はほとんどフィクションです。それに対しTV映画はかなり事実に基ずいてアナスターシャの話を描いています。
  
 d0000995_23375463.jpg アナスターシャは帝政ロシア最後の皇帝ニコライ・ロマノフ2世の娘でした。ロマノフ一家は革命軍によって一家全員が殺害されました。死体は埋められ、混乱の中それがどこに埋められたかは忘れ去られました。
  その事件から1年後ほどしてドイツのベルリンででひとりの若い娘が橋から身を投げて自殺を図るという事件がおきました。幸い彼女は目撃者により助けられて、命は取り留めました。しかし、彼女は記憶を失っていて自分が誰だかわからなかったのです。そして、彼女の身元を知るものもでてきませんでした。
 
  ところがしばらくして、彼女は突然自分はロシア皇帝ニコライ・ロマノフの娘のアナスターシャだと言い出したのです。ロマノフ一家は惨殺されたということは知られていたので最初は彼女の言うことを信ずるものはいませんでした。しかし彼女はかなりロマノフ家のことに詳しい情報を知っていて、あることに関してはアナスターシャでなければ知らないであろうということも話したりしたのでした。やがて真偽を調べるためにロマノフ家で働いていた人たちがこのアナスターシャと名乗る娘に面会に来ました。ある人たちはその娘がアナスターシャに間違いないと証言しましたが、ある人は偽者だと証言。結局決着はつきませんでした。
   
  その後いろいろあり、イギリス皇室とロマノフ家は血縁関係があり、イギリスのロマノフ家に近い親族がこのアナスターシャと面会し、最終判断として彼女はアナスターシャではないと結論を出しました。しかしこの娘はアナスターシャであるということを主張しつづけました。ロイヤルファミリーの無いアメリカではかなり歓迎されたこともあり、彼女はアメリカに渡り、そこで大学教授と結婚し、アンナ・アンダーソンとなり、アメリカ、バージニア州で亡くなりました。彼女は最後まで自分がアナスターシャであると主張しつづけていたそうです。
  
  彼女の遺体は火葬されたためDNAによる検査は不可能となり、彼女が本当のアナスターシャかどうかの決定は永遠に謎のままになると思われていました。
  
  そんな時ロシアでロマノフ一家の死体が発見されるという事態も発生しました。これでアナスターシャの謎も解けると思っていたところ、白骨化した遺体の中にはアナスターシャにあたる白骨が発見されませんでした。これによってあのアナスターシャを名乗る女性の信憑性が出てきました。
 
  それから数年後、アンナ・アンダーソン(アメリカでの名前)の髪の毛か歯かが発見されました。これによりはじめてDNAの検査が可能となりました。これでやっとアンナ・アンダーソンがアナスターシャ・ロマノフかどうかが決定できることになったのでした。
  
  そして、、、
結果を知りたい方は下の「アンナ・アンダーソンの秘密」をクリック。ミステリーのままで終わりたい方はココでおやめください。



d0000995_23403167.gif
  アナスターシャのストーリは興味深いものがあり、先に述べたようにハリウッドでフィクションとして1956年に映画化され、同じ年ドイツでも映画化されています。ドイツ版のほうが事実に基づいているようです。ただ私は見たことがないので何ともいえません。そして1993年にはミュージカル・アニメーションとして映画化。メグ・ライアンが声の出演をしていました。これは完全なフィクションで子供にうけるようなストーリーや、キャラクターで描かれています。

<注意>  前述したアナスターシャの話はTV映画とNOVAのドキュメンタリーの記憶をたどって書かれた物で以下に書く内容と一致しない部分もあります。

  さて、このアナスターシャと名乗りつづけた女性について、述べていきたいと思います。以下の情報はアメリカのケープル・テレビ「バイオグラフィー」で紹介された事の要約となります。わたしがPBSの「NOVA」で見た内容とちょっと違うようなところもあるようですが、「NOVA」の録画したテープを紛失してそちらの情報は手元に無いので、ネットで発見した「バイオグラフィー」のほうを使用して説明します。
  このアナスターシャという女性について彼女の親族であると名乗り出ていた人が実はポーランドにいたのです。そして、彼女はフランシスカ・シャンスコウスカという名前だと報告されました。しかし、この事はあやふやに片付けられていました。しかし、亡くなったアンナ・アンダーソンのDNAを検査する段階で、彼女のDNAはアナスターシャの伯父のDNAとポーランドに住むフランシカの甥の息子のDNAと比較されました。そしてその結果、このアナスターシャと名乗る女性の謎がついに解けたのでした。
  アンナ・アンダーソンはフランシスカ・シャンスコウスカだったのです。

  フランシスカ・シャンスコウスカは1899年ポーランドで生まれました。彼女は軍事工場で働いていました。その工場は1920年大爆発を起こす事故を起こしたそうです。それからまもなく
彼女はベルリンのある橋から身を投げて自殺を図ったのです。
彼女は精神病院に入れられましたが自分については何も語りませんでした。そして2年後突然自分はニコラス2世の娘アナスターシャだといい始めたのでした。
アナスターシャを知る人々がこの女性に面会し、あるものは偽者といい、ある人はアナスターシャ本人に間違いないと証言しました。
   精神病院退院後は実のアナスターシャと信じる人々によって支えられ彼女は生きていました。一方でこの女性が本物のアナスターシャかどうかを決定しようとする裁判が起こされ、ニコラス2世の妻アレキサンドラの兄弟はこのアナスターシャが偽者である事を証明しようとしました。アナスターシャの伯父は探偵を使い、この女性がフランシスカ・シャンスコウスカという人物だと思われるという報告を受けました。
   1960年にアンナはアメリカに渡り、アナスターシャだと信じる人々の世話になっていました。彼女のアメリカ滞在ビザが切れようとする頃、彼女はジョン・マナハンと結婚し、バージニア州シャーロッツヴィルに1983年に亡くなるまで住んでいました。

アンナ・アンダーソンの件は解決しましたが、アナスターシャだけがロマノフ家の殺害を逃れられたという噂はあったようです。そして1990年代に発見された殺害されたロマノフ一家の白骨化した遺体の中にアナスターシャにあたる骨が発見できないということが(発見されたある骨の一部はアナスターシャだと主張する学者もいる)アナスターシャ生存説の裏づけと信じる人もいてアナスターシャの謎はいまだ完全に解決しているわけではない。

   なお現在のイギリス皇太子チャールズとアナスターシャは親戚関係にあるのです。
チャールズの父フィリップ(エリザベス女王の夫)の父方がロマノフ家の子孫なのです。
 
  
[PR]
by Marrrsan | 2005-05-20 23:42 | ・私的周辺雑記 | Trackback(1) | Comments(9)
トラックバックURL : http://marrrsan.exblog.jp/tb/608880
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from アメリカ合衆国 各州情報 at 2005-07-01 22:39
タイトル : バージニア州
バージニア州バージニア州 (英語ではCommonwealth of Virginia、 略字はVA)は、アメリカ合衆国|米国東部の州。州の北はメリーランド州に接し、東はデラウェア州とメリーランド州に、西はウェストバージニア州とケンタッキー州に、南はノースカロライナ州とテネシー州に接している。州の東側...... more
Commented by genova1991 at 2005-05-21 00:20
アナスターシャの物語は子どもの頃に少女雑誌あたりで知った記憶があります。そしてその結果はどうなったのでしょうか?
Commented by lemonodasos at 2005-05-21 04:23
本当にねぇ・・・。本物なのかどうか決着をつけて欲しいです。
アナスタシとは復活という意味です、ギリシャ語ですが。
男はアナスタシオスで、女はアナスタシアです。
Commented by lanova at 2005-05-21 08:20
興味深いお話ですねえ。私はま~さんのこの記事を読むまで知りませんでしたが、genovaさんはご存知?やはり私よりお姉さま?…などというつまらない詮索はおいておいて、私も結果を知りたいですわ。
Commented by Marrrsan at 2005-05-21 09:33
けこさん>
ご存知でしたか、アナスターシャの話し。ミステリアスでどうなったのか知りたくなりますよね。今日中に(5・21)moreとして結果をお知らせします。

まどかさん>
決着はついていますので、後ほどお知らせします。
へえ~アナスタシアとはそんな風な意味があったのですか。
アナスターシャなんていうと日本語からはなんか高貴な響きがあるきがします。 英語ではニックネームではアンとかステーシーとなるのでなんか平凡な感じですね。

nova さん>
PBSにNOVAという番組がありますよね。あの番組でロマノフ一家の遺体の発見とアンナ・アンダーソンのDNA検査の結果をテーマにした番組がありそれで初めて私も結果を知りました。
テープに録画したのですが誰かに貸してそのまま帰ってきていません。
結果の報告はのちほど。

Commented by genova1991 at 2005-05-22 19:46
へぇ~へぇ~へぇ~で、へぇ~が30個。
そうだったのですか!!
やはりアナスターシャではなかったのですね。
うん十年前の知識のみなので、その後については全然知りませんでした。つかえていたものが取れたような気分です。
どうも有難うございました。
Commented by lanova at 2005-05-23 04:16
図書館にPBSのビデオが全巻あるはずですので、チェックしてみますね。タイトルは何だったんでしょう。
Commented by Marrrsan at 2005-05-23 09:19
けこさん>
確かにアンナ・アンダーソンはアナスターシャではないことは証明されましたが、発見されたロマノフ家の遺体に完全にアナスターシャと思われる骨が発見されず、ある意味いまだアナスターシャに関してはミステリーは解けていないようです。


Commented by Marrrsan at 2005-05-23 09:21
novaさん>
PBSのNOVAの放送タイトルは
Anastasia -- Dead or Alive といいます。
オリジナルの放送は1995年10月でした。
Commented by lanova at 2005-05-24 01:09
ありがとうございました。明日図書館でチェックしてみます。