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カナダへの道 17

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永住権のための健康診断を受ける日がやってきました。興奮と不安であまり深く永い眠りが出来ぬままに、午前4時半ごろ目が覚めました。11月の半ばで薄暗い時間帯でした。素早く身支度を整え、簡単に朝食をとり、上京の折には何時も行く埼玉の小さな駅まで車を走らせました。車は駅から5,6分のスーパーの駐車場に置かせてもらい、駅へと向かいました。驚いたのは駅の窓口は閉まっていて、切符の券売機だけが作動していました。さすがに田舎だと始発の電車の時には駅員はまだ来ていないのかと驚きました。私のほかに3人ほどの人がこの駅から乗車しました。
赤羽駅で、埼京線に乗り換え、さらに池袋で山手線に乗り換えました。まだ時間的に早いので池袋でもラシュにはなっていませんでした。そして池袋から新宿方面に1駅の目白へと向かいました。目白駅は思い出の深い駅でした。大学卒業後この駅の近くにあった英会話学校に1年半ほど私は通っていたのです。あの頃から何年経ったでしょう。目白駅に立つのは三十数年年ぶりでした。駅も変わり面影はほとんど無いような気がしました。駅を出て右に行けば学習院大学がありました。これから私が向かう聖母病院は目白通りを左に進みます。バスも走っていましたが、それほど遠くないし病院の受付の始まる8時までは十分な時間があったので、私はゆっくりと目白通りを下落合の方向に歩いて行きました。

地図で見たときはちょっと歩きでがあるような距離に思えましたが、実際に歩いてみるとそれほどの距離には感じられませんでした。下落合から中落合になる境の細い道を左手に曲がりさらに進んでゆくと右手に聖母病院がありました。病院の前に立ちましたが一見どこが病院の入り口なのかわかりませんでした、私が歩いてきた細い道から坂になっている道を登っていけば入口のような感じもしましたが、救急患者用と書いてある気がしました。私はその坂ではなく右を大きくぐるりと病院の建物を回りました。そちらこそが病院の正面のような気がしたからです。でもそれは間違いで病院の裏でした。私はもう一度道のように出て、坂を上り入口のようなところを目指しました。そこに着くとそこが正面玄関のようでした。遠くからはとてもそんな風には見えませんでした。まだ8時まで時間はありましたが、私は思い切ってはいっていきました。
by Marrrsan | 2015-10-03 09:09 | ・随筆 | Trackback | Comments(0)