ALKID絵の具
2005年 08月 08日
キャンバスを使って絵を始めて描きだした頃はアクリル絵の具を使っていました。理由の一つは私が行っていた学校の教室が換気の設備が整っていないので、油絵の具に使われる溶剤などの匂いがこもるというので授業に使われていなかったのです。
それまで水彩しか知らなかった私には、アクリルは何の抵抗もなくすんなり入っていけました。
描きすすむのが割と速い私には即乾性のアクリル絵の具は性に合っていました。
大学院で絵画を副専攻にしていましたので版画のほかに絵画も制作していました。やはり初めはアクリルでしたが、段々アクリルの欠点である乾くと色が変り、自分の思っていた色彩と違うものになるということが気になりました。またある合評会のとき教授の一人が油絵の具を使ったらと言う助言に従い、独学で油絵へと移行しました。ただ、油絵の具の乾燥の遅さに最初は慣れず
失敗を多くしました。そのうち下塗りをアクリルで行い、仕上げを油でするという方法があると知り、この方法で描き始めました。これで作品の完成のスピードをあげることができるようになりました。
その頃からカタログに載っている ALKYD という油絵の具に興味はありました。しかし油絵の具といいながらどうも油絵の具でのなさそうなので、使う気になれませんでした。2年程前にある通販のカタログでかなり割引された値段でALKYD絵の具が売り出されていたので、興味本位で買ってみることにしました。
絵の具の違いは絵をやっている人はご存知かと思いますが、色彩の顔料とそれを溶く溶剤によって異なったものになります。水彩絵の具は顔料にアラビアゴム液が使われ、アクリル絵の具は顔料にアクリル樹脂、油絵の具は油という具合です。
アクリル絵の具と油絵の具の中間的存在にあるALKYDはなんだろうと思っていました。
ALKIDという言葉は ALはALCOHOL、正確にはPolyhydric Alcohols という言葉と ACID polybasic acids という言葉を組み合わせたようです。(acidのCIDの部分はKYDと書き換えられた) polyhydric alcohols と polybasic acid の混合物とはつまりポリエステルだということです。このポリエステル樹脂を油で変化させたものを溶剤として作られた絵の具がALKYDということです。
使った感じはやはりアクリルと油の中間という感じがします。渇きの速さはアクリルほどではなく油ほど遅くもなく、下絵に使うには丁度いい感じかもしれません。油絵の具の白というのは通常とても乾燥が遅いのですが、この絵の具は1日すればほとんど乾燥するので便利です。
現在はこの絵の具を下絵の段階でよく使っています。もちろんALKID絵の具だけで描いても一応油絵と呼べるようです。
特殊な絵の具なのかあまり一般化しなかったのか油彩用のALKID絵の具はイギリスのWinsor & Newton の Griffin というブランドからでているだけとなっています。
すでにアルキドを使いこなされていると知りビックリです。日本では、来年7月の販売開始に向け生産準備に入ったそうです。・・・私も昨年の今頃、アルキドの作家モニターで慣れないレポートを書いていました(^_^;)
今marrrsanの文章を読んで、私も是非ファンデーションホワイトの次の段階の何層かの地塗り工程に使ってみたいと思いました。
日本でも売り出されるのですか。
アメリカはかなり前から売り出していますが、1社しかありませんね。
水で薄めたり、洗い落とせるタイプの絵の具はいろいろな会社が売り出していて、ターペンタインの臭いに耐えられない人には人気のようですね。
勉強になります!
絵の具のことある授業で詳しく教わりました。(アメリカの大学で)